江戸のキャッチコピー

江戸時代のキャッチコピーの紹介

麦飯報條

麦飯報條

高かろうよかろう安かろうわるかろうとは、やぼの時代のたとへにて、

今ときはな御合点されず、ひつぱりみせで二の膳にすはり安札で桟敷へ上る。

売手のやすり買手のかすり、やすりかすりと云事をしらねば、今比商売はならぬとさる御方の御説法聞とそのまま早合点かしこまり、子のとろろ汁よりむぎめしの思い付、南鐐一片六進か三進、二一天作の御壱人前、つもり上げて見れば、サァやすいやすい伴頭殿のそろばんちがひ歟、ぬすみ物歟、ひけ物歟。但し又狐をつかひて馬糞でも喰わせぬかと御うたがいの御方もあらふが、そこがかのやすりとかすり、かひての仕合うりての悦、

すたった所が南鐐一片もうけた所が五十か七十、みぢんつもれば山をなし、頭巾とみせてほうかぶり、いかなお客も足かろかろと御出被成て、めしを出せコリャ酒をだせ、ヨウイ得意ならしゃんせよ。